2015.05.01
ニコニコ超会議をほんのちょっと真面目に考察してみる
しばらく更新が空いてしまって申し訳ありません!
今回はGW直前!は特に関係なく、先日行われたニコニコ超会議に行ってきたので、イベントに参加したことでマーケティング目線で感じたことをとりとめもなくまとめてみましたのでゆるりと読んでいただけると幸いです!
ニコニコ超会議とは何者か
登録会員数4000万人を超える「ニコニコ動画(通称:ニコ動、ニコニコ)」のすべて(だいたい)を地上に再現するニコニコ最大のイベントです。
2015年は定番の踊ってみた、歌ってみただけではなく、相撲あり、プロレスあり、サッカーあり、言論大会ありとカオス(褒め言葉)のイベントだった模様。
新しい参加のカタチ
ニコニコ動画における参加は「見る」ことから始まり、コメントする、作る、投稿する、支援するといった
さまざまな参加の仕方があります。
一般のサイトでももちろん見ることはできますが「参加」には扱われることは少なかったりします。
が、ニコニコにおける「見る」はライブ会場のオーディエンスにあたり、オーディエンスの拍手や歓声が画面上のいわゆる弾幕に昇華されているといえます。
突然ですが皆さんはRPGをプレイしたことがありますか?
RPGは「ロールプレイングゲーム」の略です。
RPGの中ではパーティとよばれるチームの中で戦士、黒魔法使い、白魔法使い、弓使いなどなど、自分がやりたい役割になり、パーティとしての勝利を目指します。
自分自身はボスが倒せなくてもサポートをする、という役割も用意されているのです。
日常生活の中でもいろいろなところでこれと同じ考え方は存在し、たとえば前線で仕事をとってくる営業、とってきた仕事を形にするディレクター、確実な成功に導くマーケター、書類サポートなどを行う事務方…、これも立派なロールプレイだったりします。
これはリアルな社会の中で、コミュニティが存在することにより生まれたカタチではありますが、
ソーシャルメディアなどで不自由なくコミュニケーションが取れるようになったインターネットの世界においても
自分だけで楽しむ、完結する、ということではなく「みんなで成し遂げる」というコミュニケーションが当たり前になってきているのだと考えられます。
つまり、楽しみ方(参加の仕方)も実はユーザの性格や趣向によってさまざまであり、ニコニコ動画・超会議はすべてのユーザがリアルロールプレイングゲームできる場を提供しているのかな、と感じました。
楽しみ方いろいろ。
ニコニコ超会議に話を戻すと、普通のイベントと違い、演じる人と見る人という関係性だけではなく、さまざまな参加の仕方があります。
企画に積極的に参加する人、現地で応援する人、ネットでコメントという形で参加する人…。それらが集まって一つのコンテンツが成立しています。
さらに、見ているうちに積極的に参加したくなったり、会場に行きたいと思うようになったり別のロールもやってみたくなり、気軽にやれる、そしてこだわりたい人はもっとこだわれる…と、参加すればするほどプレイできるロールが増えていくのも魅力の一つです。
マーケティングの中での「参加」
一方で、マーケティング界隈での「参加」について考えてみます。
AIDMA、AISASに続く電通が提唱したSIPSというソーシャルメディア時代の生活者の消費行動モデルで積極的に出てくるようになりました。
- SIPS
Sympathize(共感する)→Identify(確認する)→Participate(参加する)→Share&Spread(共有・拡散する)
この概念では購買を伴わなくても、ブランドが提供するコンテンツを遊んでみたり、共感し、いいね!したりシェアすることで他者の興味喚起を促すことも消費行動と考えられていますが、シェアする、いいね!する、投稿する、ゲームで遊ぶなどの参加が主であり基本的に運営側が意図したある程度「決められた」参加の形を行うことになります。
なので、いいね!やシェアに関してであっても緩い参加、とはいえtwitterやFacebookの自分のタイムラインに掲載されるものなのでちょっと躊躇するようなコンテンツもあるよね…と思ったことも少なくないかと思います。
ユーザ参加型のコンテンツを検討する際、企業側はどうしてもユーザに「~してほしい」「~させたい」という希望を持ってしまいがちですが、それだけではユーザにとっては「やらされる」だけになってしまいその後の共有・拡散も味気ないものになってしまいます。
ニコニコの事例を参考に考えると、実は大事なのはそのサービスに対して関わりたいという気持ちや動きたいと思ってもらうことで、その結果として行動してもらうという関係性を作ることではないでしょうか。
まとめ
ロールプレイングゲームはパーティを組むことで同じゴールを目指すことが目的ですが、ゴールを目指す、ということ自体よりも、自分ができること・やりたいことをやることを実施することに主体があり結果ゴールにたどり着くことをみんなで分かち合うことができる場がニコニコという場所であり、だからこそさまざまなニーズを持つ多くの人が集まり、楽しみ、自分たちが能動的に動くことで、ニコニコ動画というサービスが好きになるのだと思います。
このことは、マーケティングにおいても大いに参考にすべきところだと考えます。
ユーザが能動的に行動し、ファンになってもらうためのコンテンツ・サイトを育てていくためには、ペルソナ分析やカスタマージャーニーマップを作成し、ユーザがどんなタイミングで何を思うか、何をしたいのかを知り、最適なコンテンツを提供すること、そして、知りたい情報をスムーズに知り次の行動を起こしたいと思ってもらえるようなサイトのデザインや最適な導線設計などなど・・・ということになってくるのかなと思いますが、ここからは何かの機会にじっくりとお話しできればと思います!