2016.12.26
インスタは、スマホで撮ってから考える。
ミケランジェロ・アントニオーニ監督の傑作『欲望』(1968)は、人気カメラマンの主人公が公園で過ごすカップルを盗撮し、その写真を引き延ばたところ、殺人の瞬間が写されていたことに気づくという展開の映画です。リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(1982)には、ハリソン・フォード演じる捜査官が逃走するレプリカントたちを追うための証拠探しで、彼らの一味が遺した写真をカシャカシャと部分拡大し分析する、めちゃくちゃかっこいいシーンがあります。
犯人を探しだす必要はありませんが、僕がInstagramの夢中になっているのは、この2つの映画に通じるところがあるからかもしれません。拡大もトリミングもフィルタリングも自在なInstagramで投稿する写真は、まずはスマホで撮影してから、どう仕上げるかを考えることが多いからです。
2016年に僕がInstagramに投稿した写真の中から、何枚かピックアップしてみましたが、社員旅行で訪れたアユタヤで撮影したアイスクリーム屋に群がる子どもたちの一人が『仮面ライダー電王』柄の衣服を着ていることや、銀座ソニービルの夏限定のミニ水族館で水槽越しに写した人を熱帯魚が目隠していることに、随分あとになって気づくのは、うれしい驚きだったりもします。
写真に写っている何かを発見すること。インスタの楽しみ方のひとつとして、ぜひお試しください。
2016/02 恵比寿
2016/04 ラン島/タイ王国
2016/04 アユタヤ/タイ王国
2016/04 東京都美術館
2016/07 高円寺
2016/07 日本科学未来館
2016/08 銀座
2016/08 宮島
2016/11 国立新美術館
2016/11 渋谷