2018.07.18
数奇探訪その1「グループ・サウンズ」
グループ・サウンズというものをご存知でしょうか?
通称「GS」。多分今より楽しかったであろう日本の60年代中期から後半にかけて起きた社会現象的バンドブームをざっくりひとまとめにした文言です。当時、英国だけに留まらず、地球まるごと席巻していたビートルズやストーンズに感化された当時のヤングたちがバンドやろうぜ!よろしくな感じでバンドを始めだし、ザク顔負けの大量生産状態となったわけなのですが、そのほとんどが糞だったもんだから目も当てられないわけであります。
ただ、そんな糞黙りの中にはホンマモンもいたわけで
もはや古典な名曲「ブルーシャトウ」でおなじみのジャッキー吉川とブルー・コメッツ
ジュリーこと沢田 研二を排出したザ・タイガース
ショーケンこと萩原 健一が在籍していたザ・テンプターズ
などなど。。。名前だけでも聴いたことがあるかと思います(と、信じたい)
音楽ファンであれば、確実に虜になるであろうと推測します(と、信じたい)
と、前置きが長くなりましたが
私が、これを読んでる奇特で数奇なあなたに、一番におすすめしたいGSバンドは
ザ・スパイダース(The Spiders)!!!
後に超一流芸能事務所“田辺エージェンシー”の大社長になる田邊 昭知をリーダーに
マチャアキこと堺 正章!、ジュンちゃんこと井上 順!の昭和かくし芸界の両巨頭に加え
ムッシュことかまやつひろしまで在籍していた
日本を代表する伝説的バンドなのであります。うーん「☆!みっつです!!」
脇を固めるメンバーも豪華、大野克夫に井上孝之なんて、太陽のほえろを初め、数々のレジェンドソングを世に送り出した超ミュージシャンなのであります。そんな音楽猛者が奇跡的に集結していたバンドなんだから、世に届けられた曲のセンスの良さといっちゃあ、録音状況で古く聴こえてしまうのは否めないですが、ひとことセンスの塊なわけです。尊敬するミュージシャンにザ・スパイダースをあげる現在のミュージシャンは少なくありません。
どうです、聴きたくなったでしょ?
では、おすすめしてあげましょう。
21枚のシングルカット曲から今回は21作目、
解散シングルといってもリリース時期を考えると過言ではない記念すべき曲
「エレクトリックおばあちゃん」(70年9月25日発売) であります!
ばあちゃん~♩♫♬ 弘前のおばあちゃん~♩♫♬
と、魅惑のハーモニーと疑惑の歌詞からスタートするこの曲。。。。
孫の顔見にはるばると~♩♫♬東京さ行きたくて~♩♫♬
気軽に津軽をぬけ出したぁぁぁぁぁ~ 弘前のばあちゃん!!!
孫の顔見たさに、誰にも言わずに津軽から東京へとミッドナイトランした
捜索願い上等なばばあの歌なのです。。。
返す刀でこんな歌詞
飛行機乗っ取りハイ・ジャック~♩♫♬
海にはシー・ジャック~♩♫♬
わが家は突然ババ・ジャック~♩♫♬
秀逸すぎる、、、これはほんと日本ロックの革命であります・・・
しかも韻まで踏んでるわけで、
なぜか韻に鬼こだわっている日本のラッパー達のパイオニアだといっても言い過ぎなんかじゃないわけです!
でもって、この曲の謎はこれだけではないもんだから困ったものです。
この曲のベースになっているのは
米国のポップ・デュオ、ジャン&ディーン(Jan&Dean)の1964年のヒット曲、
「パサディナのおばあちゃん 」
赤いダッジで通りを猛スピードで爆走する老婦人の歌という、題材が斜め上から三回転半的に狂った曲なわけなんですけども、
これに対抗して、青森県の弘前市から来たおばあちゃんという設定にしたというもんだから、日本も負けず劣らず完全に狂ってるわけであります。
また、ハイジャックやシージャックといった文言も、
発売年に起きたよど号ハイジャック事件や瀬戸内シージャック事件をもじったというから
アンチテーゼ的とでもいいましょうか、なにかとビートが効きまくっているわけであります。
どうです?
聴きたくてたまらなくなったでしょう。
ここからは各自調査ということで。。。
今後とも株式会社DEMOをよろしくお願いします。
デモ:村山