みなさん、会議してますかー?

会議をしたことで仕事してる気分になってる人がいたり、逆に「仕事してたほうがいい」「意味がないから出たくない」そんな声が出がちな会議もいろいろな会社でよく耳にします。

本来、合意形成をするためにとても必要である会議がコミュニケーションのひずみを生むこともあったり。

みなさんの「会議」は大丈夫ですか?

今回はそんな会議がちゃんと成果を上げるものになるための「ファシリテーション」についてご紹介します。

ファシリテーションとは。

ファシリテーションとは、問題解決やアイディアの創出などの活動が容易にできるように支援し、うまくいくようにかじ取りをすることです。
かじ取りをする人、会議で言うと、進行役をする人のことをファシリテーターと呼びます。

ファシリテーターの役割

会議におけるファシリテーターの役割は大きく2つです。

  • ●会議の場を円滑に進行すること
  • ●参加者のアイディアを引き出し会議の質を高めること

そしてそのためにやるべきことを以下に簡単にご説明します。

1)会議は始まってるときには終わっている

これは弊社の受託制作チームの会議のスローガンです(笑)

会議の場を円滑に進めるためには、事前の準備が大事です。

  • ●アジェンダを作る
  • ●議題にあったメンバーを集める
  • ●アジェンダを共有し、会議までのタスクを与える

これをしてないと、会議で意識合わせを最初にする必要があり、非常に時間のムダになってしまいます。

2)場を作る

MTGの準備をしておく、というのは当然のことながら
(全員集まった後にあたふたPCの準備してたイヤですよね)
会議をするよ、という空気感を作るのもファシリテーターの役割です。

私語が多かったら締める必要がありますし、逆に固い雰囲気であればアイスブレイクを使って場を和ませることも会議の成果を決める要素の一つになります。

3)聴く・訊く

会議が始まると、ファシリテーターの一番の仕事は「聴く・訊く」ことです。
ファシリテーターは基本的に進行役に徹するので、会議内での発言を平等に聴いたり訊いたり、整理する必要があります。

ここで二つの漢字を出しているのは、「聴く=耳を傾け、注意して聞き取る」「訊く=尋ねる・質問する」という二つの行動が重要だからです。

発言者の声の聴き方のスキルとしては、

  • ●視線を合わせる
  • ●相手の話のリズムに合わせてうなずいたり相槌をうつ
  • ●自分の言葉で繰り返す
  • ●さらに掘り下げる質問をする(=訊く)

といったものがあります。

最後の掘り下げる質問の仕方についても

  • ●発言の背景(なぜ××だと思うの?)
  • ●少し視点を変えた質問
  • ●時間軸をずらした質問

など相手の話を踏まえた上で気づきを与える質問をする、という方法を取ります。

逆にやってはいけないこととしては

  • ●話を流す
  • ●話を遮る
  • ●反論・否定する

などで、一見確かにそうだと思われそうですが、意外と上長になるとやりがちな行為だったりします。

この辺りは積極的傾聴とかアクティブリスニングと言われ
コーチングや営業などでも使えるワザなのでまた別の機会でまとめてみたいと思います。

また、発言者だけではなく、出席者全体の表情・態度などの非言語的なメッセージも「聴き取る」ことが重要です。

発言者の発言に対してちょっと顔をしかめたり、考え事を始めたり、視線を落としたり上げたり、視野を広げると
出席者はとてもいろいろな声を発しています。

「Aさん、何かご意見ありますか?」
と声を掛けてあげることで自らは出てこなかったような新しい議論が生まれて新たな気づきを得ることができるかも知れません。

4)ひたすら聴く・訊く

会議は何かしらのゴールを導き出す必要がありますので、議論に関しても合意形成に向けて進めます。
議論が対立している場合の合意形成というのは「どっちが正しい」ということを決めることではなく
「出された議題のテーマに対して最適な解を出す」ことです。
例えば、営業と開発の立場だと意見は対立しがちですが、どちらが正しいというわけではなく
立場の違いがそうさせていることは感覚的にわかりますよね。

そのときファシリテーターがやるべきことは、それぞれの意見をよく聴きニーズを分解していくことです。
掘り下げたり視点を変えながら質問をしていくと「絶対に譲れないところ」「相手に同意できるところ」「代案があるところ」
などが見えてくるはずなので、それらをうまくつなげて双方が合意できる地点を探し出します。

5)かっこよくまとめる

合意形成ができたら、全員での共通認識とするために、議事および結論をまとめます。
ここで議題に対しての結論がきれいにストーリーができたりするとすごく気持ちいいですし
きっとそうなったときには出席者の方々の顔もちょっと活き活きとしていることでしょう。
ファシリテーター冥利につきる、ってもんです。

まとめ

こういう記事や本を見るとスキルがあればできる、と思われがちなのですが、なんだかんだ言って一番大切なのは
相手のことを「知りたい」「理解したい」、そして課題に対して「解決したい」という気持ちだったりします。
その気持ちの上で、より最適な結果を導くためのスキルとしてこのスキルを使いこなしていただきたいなと思います。

今回はいわゆる何かを決める「会議」的な形での説明となっているので、ブレストの場合だったり
定例会のようなものだとまた少しずつ回し方は変わってきますが、ファシリテーターの基本的な
スキル「聴く・訊く」ということは変わらないと思います。

また、途中でも書きましたが、このスキルを手に入れると、結構いろいろな所で重宝しますし、
なにより自分自身へのインプット量がものすごく増えるという便利なスキルです。
(あれです、ゲームで言う入手経験値が増えるスキル、みたいなもんです)

このスキルは手法を学ぶ、というよりも実践でいかにスムーズに発動するか、がキモになってくると思いますので
是非皆さん、会議に限らず、食事の席など複数人で話す機会があったら是非やってみてくださいね。